苔には数多くの種類があります。
日本だけでもその数推定1700以上の種類が存在するそうです。
一見同じような苔でも、葉の形や茎の細部、細胞の形までを一つ一つ見比べて見ると違いがあるのです。
苔はサイズが小さく、葉や茎などの小さな違いを確認するには顕微鏡が必要になります。
しかし、肉眼でもなんとなくの見分けはつくので、テラリウムを作って楽しむ分にはさほど困りません。
ここでは、テラリウム作成によく使う苔をテラリウム作家の視点から紹介していきます。
どのようなテラリウムを作りたいのかを考えながらご覧ください。
ホソバオキナゴケ
別名“ヤマゴケ”
シラガゴケ科
苔盆栽などの根元によく使われる苔です。
やや薄緑色の密な葉が特徴。
自然ではスギ林などの根元に群生している姿が良く見かけられます。
直射日光の当たらない環境、水はけと空気の流れの良い場所を好みます。
多湿な環境に強い為、蓋つき、蓋なしの様々なタイプのテラリウムで育てることができます。
扱いやすく、枯らしにくい苔ですが、
植え方が上手な人が植えると本当にきれいな苔です。
力量に差が出るので、そういう意味では一番奥深い苔といえます。
コツボゴケ
蘚類~チョウチンゴケ科
木陰などに生えていることが多い苔です。
土の上に生えます。
直線状に伸び、水平方向と垂直方向に伸びていきます。
透明感があり、植物の葉のような形をしており、水をかけると光沢があり美しい苔です。
強めの湿気を好み。初心者でも育てやすい苔になります。
ヒノキゴケ
蘚類、ヒノキゴケ科
山や林の木の根元にこんもりとした塊を作ります。
俗称“イタチのシッポ”
排気ガスなどの大気汚染に弱く空気のきれいな所に住む苔です。
茎は直立または斜めに立ち上がり、長さは5~10cm。
柔らかい印象の塊をつくります。
葉は茎に密につき、中程のものがもっとも大きく、茎の下部は褐色の仮根に覆われています。
植物体の形にも趣があるため、テラリウム、アクアテラリウム、盆景などにもよく利用されます。
ヒノキゴケは植え付けしやすいので初心者向きです。
蓋つきのテラリウムで育てるのが適しています。
ハイゴケ
開けた日当たりの良い土の上、あぜ道脇、道ばたなどの地上、木の根元、岩上に這うように伸びます。
黄緑色のたいらな群落をつくります。
苔の中では成長も早い種類です。
1本1本を見るとやや丸みのある形をしておりかわいい苔。
日当たりの良いところでも湿度があればよく育ちます。
常に湿っていると傷みやすく水のあげすぎには注意が必要です。
苔玉にもよく利用されています。
テラリウムには蓋なしの開放型がおすすめです。
シノブゴケ
木漏れ日のあるような明るめの日陰を好みます。
湿気のある土の上、あぜ道脇、道ばたなどの地上、木の根元、岩上に這うように伸びます。
緑色のたいらな群落をつくります。
シダの葉のような形をしており、触るとやや他の苔に比べ硬い感じがします。
ツンとした匂いが特徴。
乾燥には強くありません。
蓋つきテラリウムがおすすめで、扱いやすい苔です。
水の中に沈めてアクアテラリウムの水草にも使うことができます。
スナゴケ
日当たりの良い砂の上に生えます。
黄緑色の星形の葉(植物体)が特徴です。
日光に当たるとすぐに葉が巻き
乾燥状態になるが、水をかけると目に見えるような速さで給水し膨らんでいく苔です。
乾燥した状態から水を吸い膨らむ様子は生き物のようで一見の価値があります。
蒸れることが嫌いで植木鉢などに植え付けると育てやすいです。
庭に地植えすることも可能です。
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